【新耐震木造住宅検証法って?】
平静28年4月に起きた熊本地震で、グレーゾーンの建物が被害を受けたことから平成29年5月に国土交通省から新耐震木造住宅検証法が発表されました。使ったことあるよね?
新耐震木造住宅検証法の資料
はっきり言って・・・ない。でも知っておく必要はあるかもしれないから、知りたい。
テーマ:新耐震木造住宅検証法
概要
①はじめに
②所有者等による検証
③ポイント
①はじめに
新耐震木造住宅検証法は二つのステップでできています。
①所有者等による検証
②専門家による効率的な検証 この二つです。
いままでの耐震診断では、いわゆるグレーゾーン (グレーゾーンについては「リノベーションしやすい中古住宅、しにくい中古住宅」を参照ください)の木造住宅では、耐震診断においても補助金制度が使えないことが多く、あまり普及していませんでした。
そこで、このような検証するしくみができたことは、とても素晴らしいことだと思いますが、いまひとつ広まりに乏しいのも現実なようです。
所有者等(リフォーム屋さんでもOK)によってチェックしたとしても、かなりの割合で、専門家による効率的な検証にいかなければならず、そこでは所有者等で住宅の構造的な部分の写真撮影までしなければならないところが、ひとつの壁になっているような気もします。
とはいえ、このまま忘れ去られてしまうのも、なんだと思うので、せめてステップ①の所有者等による検証だけでもマスターしておけば中古住宅の購入にも活用できるのでオススメです。
②所有者等による検証
まず新耐震木造住宅検証法の資料から全体の流れの図を貼り付けておきます。
上の図のステップ1のところが所有者等による検証のところです。
さらにそこだけをクローズアップしたフローチャートが下図です。
対象かどうか
◆まず対象となる建物かどうかは、築年数と階数はわかりやすいと思います。
在来軸組構法かどうかは・・・やはり現場写真をみるのが一番だと思いますので、このホームページでしたら、大田区Y様邸などの工事中の事例を見るのが良いかと思います。
ちなみこのホームページの木造の補強事例は今のところ、すべて在来軸組構法です。
ステップ1
さて、対象となることが判明したら、いよいよ所有者等による検証です。
◆チェック1
チェック1は形状に判定です。これはホントにケースバイケースで、悩ましいかもしれません。
整形と不整形の線引きがなかなか難しい・・・と診断している自分も思います。少なくとも1階が駐車場でその上が部屋となっているような形状は不安定な形として不整形とするのがよいと思います。
また、悩ましいような整形ならば不整形と判定・・・とするのがよいと思います。
◆チェック2
次に接合部金物の仕様のチェックです。
金物のチェックですが、これをチェックするには、少なくとも天井裏をのぞく必要があります。
しかし、ここでいう「金物」については、グレーゾーンの木造住宅においては、住宅金融公庫の融資をうけた住宅以外でお目にかかることはめったにありません。(今のところですが、お目にかかったことは皆無です)
ですから、住宅金融公庫の融資を受けて造られたか?が一つの判断基準になると思います。
◆チェック3
壁の配置バランスのチェックです。
在来軸組構法が基本的に三尺(910mm)の倍数で柱が配置されていることを認識している人でしたらわかりやすいかもしれません。
下図の資料の抜き出しですが、ここでの1マスは910mmか900mmを指しているので、図面がある場合は図上でできます。
しかし、図面がない場合は、現地をあたっていかなくてはならないので、やや手間がかかりますが、和室があれば柱~柱、なければドアや窓一枚分が1マス分・・・と考えてやるとよいと思います。
◆チェック4
最後は劣化のチェックです。
いよいよ劣化ですが、もし建築からメンテナンスを何もしていない場合、仮に2000年に建築されたとしても既に20年が経つので何らかの劣化があるはずです。外壁でも10年~15年でメンテナンスをする時期がやってきます。
そうなると、パッと見た目でこれは汚れが目立つなぁ・・・のような印象を持つ場合は、何らかの外壁や屋根に劣化のチェックが入ることが多いはずです。
ちなみにここでのチェックに浴室がタイル貼りの場合は、問答無用で0点扱いですが、タイル貼の場合、タイルのひび割れや目地からどうしても劣化による水の浸透が発生しやすく、内部の構造体を腐朽や白蟻による被害を受けやすいという点があります。
③ポイント
①住宅金融公庫の融資をうけているかどうか?
②2階が飛び出していないか?
③外観がパッと見た目で、汚れてないか?
すくなくとも、上のポイントの三つが大事ってことなのかな。
配置バランスのチェックとかいってもなかなかやる時間もないから、まずはこの三つをチェックしてみるよ。
そうだね。まずはできるところから・・・だね。