検査済証がない集会所をデイサービスセンターへ活用

 

 
 
 
 
 

【検査済証がない集会所+デイサービスセンター】


なんか最近、検査済証ない・・・って続いてない?
そんなに検査済証ない建物って多いの?


けっこう多いです。平成11年以前で半数以上が検査済証がなく、平成24年でも1割くらいがまだ検査済証がないみたいです。

建物そのものは再利用可能でも法律的にハードルがあって、再利用をあきらめてしまう事例もたくさんあります。
法律が壁になって、安全性が保たれないまま放置されてしまうという逆効果にもなっているようで、そのあたり何とかならないかな・・・という問題意識もあって、この話が続いています。検査済証がない・・・という事例を集めることで、何か見えれば・・・とも思ってます。

 

テーマ:検査済証のない集会所を老人デイサービスセンターにしたい!

 

概要

①必要とされた調査内容
②もうひとつの問題

①必要とされた調査内容

集会所の場合、本体構造が鉄骨造でした。
・確認申請は行っておりましたが、12条5項の報告のための調査において、柱、梁のすべての鉄骨部材の調査が求められました。
・基礎については、コア抜き(コンクリートを一部抜き取って、強度を調べること)調査ではなく、非破壊検査としてシュミットハンマー試験(下の写真の作業)でよいとされましたが、3か所検査することを必要とされました。


このあたりの必要とされる調査内容は、建物構造、規模、行政により変わってくると思います。

以上の調査をするにあたり、すべての柱、梁の調査をしなければならないので、天井に点検口を要所要所設置することで調査を可能にしました。

※12条5項については、下記の記事参照ください。
  「空き店舗を保育園にした話


②もうひとつの問題

老人デイサービスセンターの場合、もうひとつ注意点があります。
それは、バリアフリー条例です。ここでは東京都の場合になりますが、東京都ではバリアフリー法に基づき建築物バリアフリー条例が存在します。
老人デイサービスセンターの場合、この条例によりバリアフリー化が義務付けられるので、条例に従って、廊下幅、トイレ、出入り口などを整備する必要があります。
廊下を広げるために間仕切りの移動、トイレのバリアフリー化のためにトイレの設備の改修、出入り口部分の段差解消、手すり設置など様々な工事が要求されます。

東京都 建築物バリアフリー条例

デイサービスセンターですから、バリアフリーに計画するのは当然ですが、既存建物の構造的な都合や予算によって「バリアフリーの度合い」に融通が利くわけではないという点では、注意が必要ですが、各自治体により緩和規定もあるので、そのあたり要リサーチです!

以下、ポイントまとめときます。

今回のポイント

①鉄骨造のため、木造よりも調査がより詳細に必要

②バリアフリー条例など、条例にも要注意!

 


ちなみに・・・地区計画や建築協定にも注意です。



 

 
 
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