検査済み証がない建物の増築 既存不適格

 

 
 
 
 
 

【完了検査済証がない住宅の増築+既存不適格】


前回に続いて、今回も完了検査済証がない案件の話。
でも今回は、さらに既存不適格(建った時は適法でも法律が変わって違反になってしまっている状態)になっちゃってる状態です。



なんか、ややこしそうだけど、大丈夫?
 

テーマ:完了検査済証のない住宅の増築+既存不適格

 

概要

①はじめに
②12条5項の報告と既存不適格
③結末


①はじめに

話の始まりは、建築当初は防火地域、準防火地域としての指定はなかったけど、時が過ぎ・・・2階に5㎡ほどのトイレ・洗面所を増築しようと思い立ったときは準防火地域に指定されていた!というのが始まりです。
そこで確認申請を出して、増築しようと思ったら検査済証を取得していなかったので、いきなり壁にぶつかってしまいました。
もしも無指定のままだったら、10㎡以内の増築の場合、確認申請が不要なので、工事をする上では問題は基本的にはなかったのですが・・・。(完了検査済証がないという問題は残りますが)

今回の問題点
◆完了検査済証がなかったこと
◆既存不適格であること

②12条5項の報告と既存不適格

完了検査済証がない場合は行政庁のほうに12条5項の報告をするか、指定確認検査機関を活用するか、いずれかで進めていくことになります。

今回の場合は、行政庁のほうに手続きをすることを選択しました。
調べてみると、確認申請はしていたので、申請図書と現地の状態とをまず照合します。
そして関連する建築基準法などの条文をすべてピックアップしてチェックリストを作成して、それを12条5項の報告書の添付書類とします。
そして図面も添付しますが、合わせて、是正対処の方法も検討して提出します。

ここで問題がなければ、確認申請に進めるのですが、今回は既存不適格です。
「問題あり」なので、ここで是正工事が必要となります。

無指定→準防火地域に指定されたので・・・

軒裏、サッシュ・・・が問題となりそうでした。

問題はここです。
この工事(これだけやれば結構な工事!)してからでないと、次の増築申請に進めないということです。

そう、是正工事を完了した後、もう一度12条5項の報告を行政庁に行います。
これは是正工事が完了したという意味ですので、工事写真も添付します。

そうなると、このあと増築工事を行いますが、せっかく工事し終わったサッシュや軒裏を再度、一部ですが壊して増築工事をしなければいけません。

ということは・・・


「そろそろ2階にもトイレとか洗面所をちょっと増築してつけようか・・・」


 と言ってた人が・・・


「ええっ!!!増築工事前に軒裏とか窓も工事するの???
訳わかんないよ!」

という感じになります。

ちなみに・・・もしも完了検査済証があったらですが・・・

増築工事の確認申請の前に是正工事はしなくてよくなります。

つまり
既存不適格の箇所の是正工事を増築工事のときに行えばOKとなります。

③結末

 こうなると、当初の思いとかなり異なることになるので、増築をすることなく、トイレを2階のどこかになんとか設置する・・・のがひとつの手でしょうか。もしくは、頭をすっかり切り替えて、大規模なリノベーションにしてしまうかどちらかだと思います。

やはり、企画、設計の段階でしっかりと先を見て話を詰めていかないと、途中で止まってしまうので、焦りは禁物でしょうか。


※ちなみに増築工事を申請するにおいて、あとからつけたプレハブの物置、カーポートも問題となり、撤去することとなりました。
またブロック塀についても法律通りの造りではなかったため是正しました。(汗)


 

 

 

 

 
 
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