プランニングの可能性
中古を改修すれば、もともとある材料を使って工事をするのだからコストも新築よりも安いはずです。
しかし高いのは手間賃。解体手間、大工手間そして諸経費・・・など人件費にかかるコストのほうが材料代よりも高くなるのが普通です。
どのような住宅をどのように改修するかで、果たして新築よりお得かどうかわかれるところです。
改修費用が、建て替え費用のおおよそ6割を超えてしまうと・・・改修を選択する人がけっこう減るようです。
それゆえ改修において、計画した予算内でプランをどこまでいじれるのか?その把握がとても大切であり、最も難しい点です。
ツーバイフォー住宅と異なり、確かに在来型(普通によくある木造の家のタイプ)の木造住宅はかなりの応用の幅が広いです。
しかし技術的に可能であっても、コストが大幅にかかってしまったり、よくよく自分の理想の生活を考えると技術的にもコスト的にもそんなに無理しなくてもよかったかも・・・と悩みは尽きないものです。
そのような悩みを少しでも軽減するためにも、プランはどこまで展開可能かを探ってみようかと思います。
木造2階建ての家のもともとのプラン
右に挙げたのは、40年ほど前に建てられた木造住宅の1階のプラン。
この間取りを見る限り、和室もあって、全部屋が開放できるようになっています。
これは現在建てられているような窓が小さく、壁の多いつくりとはかなり異なります。その開放性の良さや和室というメンテナンスのよさ(畳を上げたり、張り替えたりできます)もありますが、開放性の良さが逆に耐震性能や断熱性能にも悪い方向に影響をしてしまっているので、よいところを生かしながら耐震性能や断熱性能を高める工夫をしたいものです。
ひとつの改修案として
右にあげた図は改修案。基本的に壁を補強していきますが、考え方として、建物の重心(右の図の赤い丸印)を中心にバランスよく強い壁(赤い四角い囲み)を配置していきます
そのうえで、梁の大きさを考えて柱を入れたり、どうしても柱が邪魔!ってときは梁を補強して柱を抜いたりします。
そのサジ加減が大きくコストに影響するので、そこがコストコントロールのカギともなります。
ここでは、自給自足する居酒屋の女将さんという人物を想定して、改修案を作成してみました。
自給自足にこだわっているので、南向きの大きな開口を生かして、地球にやさしい生活をしている様子です。
↓イメージ画です。