地域を「再生」して、まちを活性化しよう!
■この建築の設計の考え方を動画に簡単にまとめてみました。
■計画のねらい
1階が車庫、2階が事務所の新築の計画です。敷地周辺は以前は活気ある商店街だったようですが、今はすっかり静かになってしまっています。
そこでこのプロジェクトでは、商店街を含めた街の「再生」も考えています。敷地が小さいのですが西側、東側とも道路に面してはいます。その敷地の特性を生かし、周囲の商店街の活気の起爆剤ともならないかという狙いを入れています。
大型のショッピングモール、チェーンストアがあちこちにあり、確かに便利ですが、地元の商店というものが活気があり、子供も大人も老人も、そして身体の障害の有るなしに関わらず、ともに助け合っていける街がマチとしてあるべき姿であるような気がします。
確かに大形ショッピングモールの方が、品ぞろえもあり、駐車場もたっぷりあるので、便利で楽しく行きやすいというものですが、商店街も連携し、互いに刺激し合うことで、大形ショッピングモールに負けない魅力出せると思います。
そのためのカギとなるのは、個々の商店の魅力も必要ですが、商店をつなげている道をいかに人々が集いやすくするか、ではないでしょうか。
そこで、この事務所が建つことで、道に活気があふれ、地域の人々の連携が深まり、福祉や防災についても向上することを狙いました。
1階は通常は車庫ですが、使用していないときは東西に通り抜けられるようにして通り庭のようなしくみを組み込んでいます。商店街でお祭りを開催する際は、この場所はちょっとした休憩スペース、イベントスペースともなりお祭りを盛り上げるような場となるように企画を考えて、設計として具体化しています。
2階の事務所は、ロフトもあり、屋根の形状を生かして、南側からのハイサイドライトからの光を滑らかに天井に写し込むようにしています。
オフィス空間に事務機器の配置だけによる働きやすさだけでなく、「開放感」、「心地よさ」を加えた設計としています。
人の活動するスペースとして、このような心理的な効果も積極的に取り入れて活動するスペースをよりよいものにしていきたいと思います。
2階事務所の光の入り方の検討模型
実際の1階の平面プランです。
POINT
◉基本的に駐車場なのですが、日中は車がほとんどないこともあり、車がない場合を中 心にプラン。
◉トイレも1階に設置することで、一般に開放する場合は、公衆トイレの機能も持てる。
◉閉鎖時は東西両側に設置したシャッターを閉じることで、締め切ることが可能。
1階と2階の考え方を示したパース
BIMデータ上で、建物の壁を取り払って内部を見えるようにした状態です。
2階の事務所の天井や1階と公園との関係をわかりやすくしたものとなっています。
メンテナンスを考えて
建物の南側の壁にはメンテナンスのためのデッキを設けました。
敷地の都合上、最小限となっていますが、建物の価値や寿命を延ばすには細かなメンテナンスが不可欠です。
しかし、いつも問題となるのは足場の設置費用。ちょっとした作業でも足場の設置は安全上必要なので、敷地のスペースが許されるならば、できるだけメンテナンスをするためのデッキは建物本体に設置したいものです。
完成予想図および模型
下記の図をクリックするとBIMXサイトにつながり、ウォークスルーができます。
※表示方法;
下の画像をクリック→画像の中央の△ボタンをクリック→画面左側の3Dをクリック→画面左下の3Dアイコンをクリック
☆こちらは模型写真です。
できるだけ敷地を有効に活用できるように立体的に計画を模型やコンピューターの中の仮想空間で繰り返し検討しました。
☆増築を考えた模型です。
将来的に増築も考えていらしたので増築も視野に入れました。増築するに従い、法律で定められた高度斜線が上がっていくので、高さが高くすることが可能になります。角地にもなるので、法律的にも面積がやや緩和されて大きめの建物ができるようになります。写真手前が事務所の部分。写真の奥がカフェなどのスペースとなります。上階のデッドスペースになってしまうような部分も倉庫とするなどして有効活用できるような設計となっています。