直島
直島では島全体をアートで盛り上げています。
そのアートの中のひとつが家プロジェクトというもの。廃屋を生かしてアート作品にしています。
新たに施設をつくるという方法でなく、既存の島に存在する建築物を生かして、アートを製作する、いわば「動的な保存」といえる手法で島を活性化しようとも言えるものです。
時間の経過した建築物から醸し出される雰囲気とその中に内蔵された空間アート。
常識的には価値のないと思われる古びた建築物に新たな命を吹き込む創造的な行為が、なんともワクワクします。
上に挙げた写真は、廃屋となっていた歯医者さんを再生してアートにした大竹伸朗氏の作品です。空間をアートにしているので二次元のアートではありえない作者の頭脳に入り込んだような体験ができます。
日常的に見るような和室やトイレが素材、色彩とも空間全体に大きく手を加えられ、そのギャップが見る物に大きな力となって作品の魅力を訴えかけてきます。
家プロジェクトには様々な作品がありますが、宮島達男氏のLEDのデジタルカウンターを使用した作品は、真っ暗な家の中に水をはった空間があり、水中のデジタルカウンターが様々なスピードでカウントしているものです。
外界と断絶された空間でじっと自身の人生の時間が経過していくのを感じられる場です。
J,タレルの作品は、改修ではなく新しく建てられた建築の中(設計:安藤忠雄)に存在しますが真っ暗の中から始まり次第に光が見えていくという、人間の力を実感させ楽しませてくれる工夫に満ちた作品です。
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