ポイントを見極めて、絞り込んで補強
平面的にも立面的にも(2階を建て増し)増築を繰り返しており、接合部が脆弱な部分が散見されました。補助金が得られるためには耐震基準をきっちりとクリアする必要がありますが、床面積が大きく、耐震基準をクリアするには予算がかかるため、難しい状況となりました。通常はここで補強工事が止まってしまいますがお施主様は、設計の打ち合わせに何度もお付きあいしてくれました。
結果、耐震基準には至らないのですが、全体の壁のバランスを整え、地震に耐えるのに必要な耐力の7割くらいの力を持てる耐震補強を行いました。
耐力壁の配置のバランスが悪いと地震が来た場合、横揺れが次第にねじれるような状態になり、建物に与える損傷も大きくなる可能性があります。
一報で、耐震基準に満たないような補強方法は、中途半端・・・という批判も確かにあります。
しかし、建物の安全率を少しでも上げることが大切・・・という思いをお施主様と共感できたことが大きかったと思います。
❖補強のポイント
・補強壁のバランスを整える
・できるだけ2階の直下の壁を補強していく(1階にくらべて2階の床面積が小さいので1階と2階の壁が不ぞろいになりがちで、家全体として力が伝わりにくいため)
*画像をクリックすると原寸で表示します。